帯状疱疹ワクチン

2023年7月1日より世田谷区にお住いの方は、補助を受けられます。
詳しくはこちらをご覧ください。

2023年6月26日より帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上の方も接種可能になりました。(世田谷区の助成は、50歳以上となります)

帯状疱疹は、体内の神経節に潜伏していた「水痘帯状疱疹ウィルス」というヘルペスウィルスの1種が、再び活動を始めることによって起きるウィルス感染症です。子供の時に「水痘(みずぼうそう)」にかかった人なら、だれでもかかる可能性があります。
体の左右どちらか一方に、赤い斑点と小さな発疹(水ぶくれ)がまとまって帯状に現れます。誰でもかかる可能性がある、ありふれた病気ですが、つらい痛みを伴ううえ、治った後も痛みが残ることがあるので注意が必要です。
帯状疱疹にもっともかかりやすいのは、50歳代後半~70歳以上の高齢者です。
20歳前後にもみられることがあります。

帯状疱疹は次のような原因から増加していて、注意が必要です。
○核家族化や少子化、高齢化によって、帯状疱疹にかかる人の数が増えている。
○みずぼうそうにかかっている子供との接触が少ないため、ブースター効果(ウィルスにさらされることで免疫が追加される)が得られず、10~20歳代での発症や、2度以上かかる例が増えている。
○子供が帯状疱疹にかかる例が増えている。

少子高齢化でウィルスに接する機会が減り、免疫が下がっています 1)


ワクチンを打つと抗体が上がり免疫ができます 1)

●帯状疱疹ワクチンの種類:2種類あります
当院ではシングリックスを推奨していますが、水痘ワクチンの接種も可能です。
これまでは水ぼうそうの予防にも使われている水痘ワクチンを使用していましたが、2020 年 1 月に新しい帯状疱疹ワクチンである「シングリックス」が発売となりました。
シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は、50 歳以上の方で 97.2%、 60歳以上の方で97.4%、70 歳以上の方で約97.9% と報告されており、 水痘ワクチンよりも有効性が高いと考えられます。(図1)

(図1)

 

また、水痘ワクチンは生ワクチンのため、他のワクチンを接種する場合は、27 日以上あける必要がありますが、シングリックスは不活化ワクチンのため、医師が認める場合すぐに次のワクチンの接種が可能です。
(コロナワクチン接種については念のため2週間あけることをお勧めしています。)
シングリックスを注射すると、体の中で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くため、 多くの方に注射部位の痛みや腫れがあらわれますが、副反応の多くは3 日以内におさまります
シングリックスは2回の接種が必要で、水痘ワクチンと比較すると接種費用が高額となりますが、50歳以上のいずれの年齢層でも高い帯状疱疹予防効果が示されており、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症を減らす効果も期待できます。(図2)

(図2)

 

ワクチンの比較表